「こどもエコすまい支援事業」の補助金対象条件・内容・注意点とは?リフォームで最大60万円も

こどもエコすまい支援事業

みなさんは2022年11月8日に閣議決定された国の新しい補助金制度である「こどもエコ住まい支援事業」についてご存知でしょうか。

エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯にむけて高い省エネ性能を有する住宅の新築や一定のリフォーム等を行った際に国が支援してくれるという事業で予算1.500億円の新しい補助金制度です。

この記事では、「こどもエコ住まい支援事業」について補助金対象の条件・期間、内容やほかの補助金との併用や注意点まで詳しく説明していきます。

これから新しい住宅を建てたいとお考えの方や省エネ住宅に興味がある方、こどもエコすまい支援事業を申請してみたいとお考えの方などはぜひ、参考にしてみてください。

 

目次

 

「こどもエコ住まい住宅支援事業」について

はじめに、「こどもエコすまい支援事業」の概要について説明していきます。

「こどもエコすまい支援事業」とは、エネルギー価格などの高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯に高い省エネ性能のある新築住宅の取得・住宅の省エネ改修等をサポートすることで

2050年カーボンニュートラルの実現を図ることを目的として作られた新しい国の補助金制度となります。

子育て世帯や若者夫婦世帯が取得する高い省エネ性の高い新築注文住宅・新築分譲住宅の購入・対象であるリフォーム工事を行う世帯(世帯は問わない)を対象としています。

 

*子育て世帯:申請時点において、子供が4月1日時点で 18歳未満(平成16年4月2日以降出まれ)である、または令和5年3月末までに工事を行う場合は、令和3年4月1日時点で 18歳未満(平成15年4月2日以降出生まれ)の世帯であること。

*若者夫婦世帯:申請時点において夫婦であり、令和4年4月1日時点でどちらかが39歳以下(昭和57年4月2日以降出まれ)である、令和5年3月末までに工事を行う場合は令和3年4月1日時点でどちらかが39歳以下(昭和56年4月2日以降生まれ)の世帯であること。

 

「こどもエコすまい支援事業」の補助金の条件・期間

こどもエコ

つぎに、「こどもエコすまい支援事業」の補助金対象条件や期間などについて詳しくお伝えしていきます。

こどもエコすまい支援事業の補助金対象とされる条件は以下の通りです。

 

1. 注文住宅の新築

住宅を取得する子育て世帯・若者夫婦世帯が新たに発注する住宅の建築が対象となります。

 

2. 新築の分譲住宅の購入

住宅を取得する子育て世帯・若者夫婦世帯が新たに購入する分譲住宅の購入が対象となります。

 

3. リフォーム

リフォームをする住宅の所有者(法人を含む居住者・管理組合・管理組合法人)が工事業者に工事を発注し行うリフォーム工事が対象です。

 

補助金の対象期間

こどもエコすまい支援事業の補助金対象期間については、注文住宅の新築、新築の分譲住宅の購入の場合は令和4年11月8日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手するものが対象となり令和5年12月31日までに工事が一定以上の出来高に達した上で交付申請を行い、別途定める期間内に完了報告が可能なものに限ります。

リフォームの場合は令和4年11月8日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手するもので令和5年12月31日までにすべての工事が完了した上で交付申請が可能なものが対象となっています。

 

こどもエコすまい支援事業の補助金額と内容

こどもエコ

 

つぎに、「こどもエコすまい支援事業」の補助金額と内容について詳しく説明していきます。

 

注文住宅の新築・新築の分譲住宅の補助金額

注文住宅の新築・新築の分譲住宅の購入の場合の補助金額は100万円/戸となります。

 

リフォームの補助金額

子育て世帯・若者夫婦世帯は、既存住宅を購入しリフォームする場合に補助金額は上限60万円/戸となり、それ以外のリフォームの場合は上限45万円/戸となります。

子育て世帯・若者夫婦世帯以外の世帯のリフォーム補助金額は、安心R住宅を購入しリフォームする場合は上限45万円/戸となり、それ以外のリフォームは上限30万円/戸となります。

 

補助金対象となる内容

では「こどもエコ住まい住宅支援事業」の補助金の対象となる内容について詳しくお伝えしていきます。

注文住宅の新築・新築の分譲住宅の購入の場合とリフォームの場合とで対象内容も異なります。

 

注文住宅の新築・新築の分譲住宅の購入の場合

注文住宅の新築・新築の分譲住宅の購入の場合には以下の①~④まですべてに該当する住宅が対象となっています。

 

① 強化外皮基準に適合し再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量が削減される性能を有するもの(ZEH、 Nearly ZEH、 ZEH Ready、ZEH Oriented ・令和4年10月1日以降に認定申請をした認定長期優良住宅、認定低炭素住宅若しくは性能向上計画認定住宅も該当します。)

② 住戸の延べ面積が 50 ㎡以上であること。

③ 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成 12年法律第 57号)に基づく土砂災害特別警戒区域に立地しないこと。

④ 都市再生特別措置法(平成 14年法律第 22号)第 88条第5項の規定により当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないこと。

参照:国土交通省HP

 

リフォームの場合

リフォームの場合は世帯要件はなく以下の①~⑧の条件に該当するリフォーム工事を対象としています。

なお、①~③はいずれかが必須項目となります。(合計工事補助額が5万円以上であること。)

 

① 開口部の断熱改修(必須項目)

② 外壁・屋根・天井又は床の断熱改修(必須項目)

③ エコ住宅設備の設置(必須項目)

④ 子育て対応改修

⑤ 防災性向上改修

⑥ バリアフリー改修

⑦ 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

⑧ リフォーム瑕疵保険等への加入

参照:国土交通省HP

 

例えば「開口部の断熱改修」を行った場合の補助金はどのくらいの金額が補助されるのか「省エネ基準レベル」のケースでお伝えします。(①と②は「省エネ基準レベル」と「ZEHレベル」に分かれておりそれぞれ補助額も異なっています)

「ガラス交換」をした場合は、1.4㎡以上のガラス(大)は1枚あたり9千円・0.8㎡以上1.4㎡未満のガラス(中)は1枚あたり6千円・0.1㎡以上0.8㎡未満のガラス(小)は1枚あたり3千円の補助金となっています。

「ドア交換」をした場合は、開戸:1.8㎡以上、引戸:3.0㎡以上(大)で一か所あたり3万4千円の補助金となり、開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満、引戸:1.0㎡以上3.0㎡未満(小)で一か所あたり3万円の補助金となります。

 

こどもエコすまい支援事業・補助金の併用と注意点

こどもエコ

では、こどもエコすまい支援事業はほかの補助金とは併用することができるのでしょうか。

補助金の併用についてと気を付けたい注意点を説明していきます。

 

ほかの補助金との併用について

こどもエコすまい支援事業とほかの国の補助制度を同じ補助の対象として併用することはできません。

しかし地方公共団体の補助制度は、国費が充当されるものを除くと併用することは可能です。ほかの補助金制度との併用の詳細については以下の通りです。

・「注文住宅の新築・新築の分譲住宅の購入」で併用できる代表的な補助金制度:「住まい復興給付金」・「外構部の木質化対策支援事業」

*住宅の本体工事の全部・一部を対象とする国の他の補助制度との併用は不可能です。

 

・「リフォーム」で併用できる代表的な補助金制度:「こどもみらい住宅支援事業」・「外構部の木質化対策支援事業 」・「住宅・建築物安全ストック形成事業」・「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業及び集合住宅の省 CO2 化促進事業」など

これらは請負工事契約が別である場合は併用が可能となります。

また請負工事契約が別でかつ工期が別である場合、併用できる補助金制度が「長期優良住宅化リフォーム推進事業」・「住宅エコリフォーム推進事業(補助金)」・「住宅・建築物省エネ改修推進事業(交付金) 」となります。

「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等」・「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」は本事業とワンストップでの対応を検討しているため補助対象が重複しなければ併用が可能となっています。

*こどもエコ住まい支援事業と補助対象が重複する住宅のリフォーム工事に係る国の他の補助制度との併用は不可能です。例外は本事業で対象とするリフォーム工事の請負工事契約・ほかの補助制度で対象とするリフォーム工事の請負工事契約が別である場合には併用可能となります。

参照:こどもエコすまい支援事業の内容について(国土交通省)

 

こどもエコすまい支援事業の注意点

こどもエコすまい支援事業の申請については、住宅工事・分譲住宅販売・リフォーム工事業者が申請をすることになっており住宅購入者や工事発注者は申請することができないため注意が必要です。

また、こどもエコすまい支援事業は予算が上限に達した時点で終了となるため、現在検討されている方は早めの申請を行うことをおすすめします。(申請期間は令和5年3月下旬から終了は予算上限に達するまでですが、遅くとも令和5年12月31日までとしています。)

こどもエコすまい支援事業に関しては下記、専門のお問い合わせ窓口が開設されています。(下記に記載)

これから新しい住宅を建てたいとお考えの方やリフォームをお考えの方などで対象となる方は、ぜひこの機会に新しい補助金である「こどもエコすまい支援事業」を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

電話番号:0570-200-594(通話料がかかります)
受付時間: 9:00~17:00 (土・日・祝日含む)
IP電話等からのご利用の場合: 045-330-1340
*「先進的窓リノベ事業、給湯省エネ事業、こどもエコすまい支援事業」の3事業共通となっています。

こどもエコ住まい支援事業HP

 

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著者情報
株式会社ブルーマテリアル専務取締役 日比野晴彦
日比野晴彦
株式会社ブルーマテリアル 専務取締役
 
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