玄関ドアの断熱性能とは|等級の見方や選ぶ際のポイントを徹底解説

玄関ドアの断熱性能は、室内環境の快適さを左右する大きなポイントです。
特に寒暖差の激しい地域では、玄関からの熱の出入りが冷暖房効率に大きく影響します。
しかし、「K2」「D2」などの等級表示の意味や、どの仕様が自宅に合っているのか迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、名古屋・岐阜を中心に展開する玄関ドア専門店『玄関マスター』が、玄関ドアの断熱性能の等級の見方、地域に合った選び方を分かりやすく解説します。
等級の見方や違いを正しく理解し、ご自宅に最適な断熱ドアを選ぶ際の参考にしてください。
目次
断熱性能の基礎知識

住宅の断熱性能は、冷暖房効率や室内の快適性に大きく関わります。
断熱等性能等級や熱貫流率(U値)、HEAT20といった指標が存在しますが、まずはこれらが何を示しているのか、基礎的な知識を押さえておくのが大切です。
ここでは、断熱性能に関する基本的な考え方を簡単に紹介します。
熱貫流率(U値)
熱貫流率(U値)とは、どれくらい熱が外へ逃げやすいかを表す数字です。
数字が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性が高いのを意味します。
日本で一般的に普及している玄関ドアのU値は、おおよそ2.0〜3.0 W/㎡K程度が標準です。
一方、U値が1.5 W/㎡K以下のドアは、寒冷地や断熱性能を重視した住宅向けの高断熱仕様です。
玄関ドアを選ぶときは、U値が小さいものを選ぶと、冷暖房の効きが良くなり、光熱費の節約にもつながります。
断熱等性能等級
断熱等性能等級とは、家全体の断熱性能をわかりやすく数字で表した基準です。
国が定めた住宅の省エネ基準のひとつで、数字が大きくなるほど断熱性が高くなります。
現在は等級7まであり、等級5以上が高性能な断熱住宅とされています。
玄関ドア単体では等級はつきませんが、家全体の断熱計画に関わるため、ドアの断熱性も重要です。
高い等級の家を目指すなら、玄関ドアの性能にも気を配る必要があります。
HEAT20
HEAT20とは、住宅の断熱性能を評価する民間団体の基準です。
国の断熱等性能等級よりも厳しい基準で設計されており、より高性能な住まいを目指す際の目安として活用されています。
グレードはG1・G2・G3の3段階に分かれ、数字が大きいほど断熱性が高くなる仕組みです。
たとえば、G2以上をクリアすれば、冬でも少ない暖房で快適に過ごせると言われています。
玄関ドア自体にHEAT20の等級はつきませんが、家全体の断熱性を高めるには、ドアの性能にも目を向けるのが大切です。
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玄関ドアの断熱等級(k2・D2・K2)の見方と性能

玄関ドアの断熱性能を調べると、「K2」や「D2」といったアルファベットと数字の組み合わせが使用されています。
これらは、各メーカーが断熱性能の違いをわかりやすく示すために使っている表記です。
選ぶべき等級の目安は、住んでいる地域の気候によっても変わってきます。
ここでは、メーカーごとの表記の違いや地域別の考え方、ドアの素材による性能差について、詳しく解説していきます。
メーカーによって表記が異なる
玄関ドアの断熱性能を表す等級に、「K2」「D2」などの記号が使われています。
メーカーごとにルールが異なり、同じような表記でも意味や基準が統一されているわけではありません。
各社がどのように断熱等級を表示しているのかを把握しておくと、製品を比較するときに役立ちます。
次の項目では、主要なメーカーごとの表記の違いを簡単に解説します。
LIXIL
LIXILでは、玄関ドアの断熱性能を「k2」や「k4」といった記号で表しています。
kのあとに続く数字が小さいほど断熱性能が高い仕様です。
以下に、LIXILのリシェントの等級と特徴をまとめました。
| 等級 | 特徴 |
| 高断熱仕様ハイグレードモデル | ・極寒地域向け ・内部に高性能断熱材を使用 ・ガラス面や窓はなし ・扉の暑さは60mm |
| 高断熱仕様 | ・極寒地域向け ・k2より厚い断熱材を使用 ・Low-E複層ガラスを使用 ・窓枠に樹脂スペーサーを採用しているので熱伝導率が低い ・扉の暑さは60mm |
| k2 | ・寒冷地域向け ・Low-E複層ガラスを使用 ・採風デザインのドアあり ・扉の厚さは40mm |
| k4 | ・比較的温暖な地域向け ・複層ガラスを使用 ・採風デザインのドアあり ・扉の厚さは40mm |
| アルミ製 | ・断熱材なし ・合わせガラスを使用 ・採風デザインのドアあり ・扉の厚さは30mm |
YKK
YKK APでは、「D2」「D4」などの表記が使われています。
こちらも数字が小さいほど断熱性が高く、D2が高断熱仕様、D4が標準的な性能となります。
LIXILのk表記と意味は似ていますが、メーカーごとに基準が異なるため注意が必要です。
以下に、YKKのドアリモの等級と特徴をまとめました。
| 等級 | 特徴 |
| D50 | ・寒冷地域向け ・ダブルLow-Eトリプルガラスを使用 ・ガラスの間にアルゴンガスが入っているのでガラス面の断熱性も高い ・扉の厚さは70mm |
| D30(D2) | ・寒冷地域向け ・Low-E複層ガラスを使用 ・通風機能デザインのドアあり ・枠断熱ラインの使用で断熱性・機密性が高い ・扉の厚さは42mm |
| D30(D4) | ・比較的温暖な地域向け ・通風機能デザインのドアあり ・扉の厚さは42mm |
| アルミドア | ・断熱性能無し ・合わせガラスを使用 ・通風機能デザインのドアあり ・扉の厚さは36mm |
三協アルミ
三協アルミでは、「K2」「K4」などの表記で玄関ドアの断熱仕様を示しています。
数字が小さいほど断熱性能が高いことを表しますが、製品シリーズや構造によって性能に違いがあるため注意が必要です。
近年は Fクラス と呼ばれる高断熱仕様も導入されています。
以下に、三協アルミのノリバスの等級と特徴をまとめました。
| 等級 | 特徴 |
| Fクラス | ・寒冷地域向け ・高性能断熱パネル使用 ・採風・採光デザインのドアなし ・扉の厚さは60mm |
| 高断熱使用 | ・寒冷地域向け ・金属製断熱フラッシュ構造で断熱性が高い ・Low-E複層ガラスを使用 ・採光デザインのドアあり ・扉の厚さは60mm |
| K2 | ・寒冷地域向け ・金属製断熱フラッシュ構造で断熱性が高い ・Low-E複層ガラスを使用 ・採光デザインのドアあり ・扉の厚さは40mm |
| K3 | ・K2に次ぐ性能があるが、採風機能付きのため断熱性がやや下がる ・金属製フラッシュ構造 ・複層ガラスを使用 ・採風ドアデザインのみ ・扉の厚さは40mm |
| K4 | ・比較的温暖地域向け ・金属製フラッシュ構造 ・複層ガラスを使用 ・採光・採風ドアのデザインあり ・扉の厚さは40mm |
| アルミドア | ・断熱性能無し ・採光・採風ドアあり |
寒冷地向けの玄関ドア断熱等級の見方と性能
寒冷地では、玄関ドアからの熱の出入りをできるだけ抑えるため、高断熱仕様の製品を選ぶのが大切です。
高断熱仕様のドアは屋外の冷気を伝えにくく、室内の暖かさを逃がさない構造になっており、暖房効率の向上や結露の抑制に効果があります。
代表的な等級には、k2(LIXIL)、D2(YKK)、K2(三協アルミ)などがあり、いずれも寒冷地向けに設計されたグレードです。
また、LIXILの「高断熱使用ハイグレードモデル」、YKKの「D50シリーズ」、三協アルミの「Fクラス」といった、等級に属さない上位モデルも用意されています。
製品を選ぶ際は、等級の記号だけでなく、熱貫流率(U値)や構造の違いにも目を向けると安心です。
温暖地域向けの玄関ドア断熱等級の見方と性能
温暖地域でも、冬の寒さや夏の冷房効率を考えると、一定の断熱性能を備えた玄関ドアがおすすめです。
外気の影響を受けにくく、室内の快適な温度を保ちやすい構造になっているため、冷暖房効率の向上や結露の軽減にもつながります。
一般的には、k4(LIXIL)、D4(YKK)、K4(三協アルミ)などが標準的な断熱仕様として使用されており、温暖地域の住宅に適しています。
選ぶ際は、等級表記だけでなく、熱貫流率(U値)などの性能数値も参考にしましょう。
アルミタイプは断熱性能なし
アルミ製の玄関ドアは、構造上、断熱性能がほとんどありません。
金属は熱を伝えやすいため、外の冷気や熱気がそのまま室内に伝わりやすく、冷暖房効率の低下や結露の原因になります。
一方で、アルミは軽量で錆びにくく、価格も比較的安価なため、断熱性を重視しない用途の場合に選ばれます。
使用環境や求める性能によって適否が分かれるため、断熱性を重視する場合は、アルミ素材の玄関ドアは避けた方が良いです。
こちらの記事では、アルミ製の玄関ドアのメリットや確認したいポイントを紹介しています。
関連記事:玄関ドアをアルミ製にするメリット・デメリット|選ぶ前に確認したいポイントも解説
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玄関ドアの断熱性能の重要性

玄関ドアは開口部のひとつとして、建物の断熱性に影響を与える重要なパーツです。
ドアの断熱性能が不十分だと、冬は暖房の熱が逃げやすく、夏は外の熱気が入り込みやすくなります。
ここでは、玄関ドアの断熱性能がどのような面で住宅にメリットをもたらすのか、具体的な効果を紹介します。
光熱費の節約
玄関ドアの断熱性能を高めると、冷暖房にかかる光熱費を抑えられます。
断熱性のある玄関ドアは、冬は暖房の熱を逃がしにくく、夏は外からの熱気を遮断しやすくなり、室温を安定させる効果があるためです。
たとえば、断熱性の高い玄関ドアを使用すれば、夏の熱気や冬の冷気が室内に入りにくくなり、冷暖房機器が効率よく働くので、無駄なエネルギー消費を防げます。
光熱費を節約したい場合は、玄関ドアの断熱性能は重要なポイントです。
結露を防げる
玄関ドアに断熱性能があると、冬場に発生しやすい結露のリスクを軽減できます。
結露は、暖かい室内の空気が冷たいドアの表面に触れて冷やされ、水滴として現れる現象です。
とくに断熱性の低いドアでは表面温度が下がりやすく、結露が起きやすくなります。
たとえば、断熱性の高い玄関ドアを使用すれば、ドア表面の温度差が小さくなり、水滴が発生しにくくなります。
結露を防ぐのは、カビの抑制や内装材の劣化防止にもつながるため、住まいの快適性や衛生面においても大切です。
こちらの記事では、結露の危険性と解決策を紹介しています。
関連記事:玄関ドアの結露は放置すると危険|考えられる原因や解決策を徹底解説
気密性が高まる
断熱性の高い玄関ドアは、同時に気密性の向上にもつながります。
気密性が高いと、ドアの隙間から外気が入りにくくなり、室温が安定しやすくなります。
一方で、隙間の多いドアは、熱の出入りが大きくなり、冷暖房の効率が低下しがちです。
断熱仕様のドアは、パッキンや構造材によって密閉性が高められており、冬でも暖かさを保ちやすく、快適な室内環境を維持しやすくなります。
気密性の高さは、断熱性能と合わせて、快適な住まいづくりに欠かせないポイントです。
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断熱性能付きの玄関ドアを選ぶ際のポイント

玄関ドアの断熱性能は、住まいの快適性や光熱費に直結するため、選ぶ際には複数の観点から比較するのがポイントです。
地域の気候や住宅の構造に合った仕様を選ぶと、断熱効果をより高められます。
ここでは、ドア選びで確認しておきたいポイントをいくつか紹介します。
地域の気候にあった断熱等級を選ぶ
断熱性能付きの玄関ドアは、住んでいる地域の気候に応じて、適切な等級を選びましょう。
日本では、国の省エネ基準に基づき地域を1〜8に区分し、それぞれに適した断熱性能が設定されています。
寒冷地(1〜3地域)では高い断熱性が求められますが、温暖な地域(6〜8地域)では、過度な断熱が必要ない場合もあります。
地域区分と等級を照らし合わせて、自宅に最適な玄関ドアを選ぶのが大切です。
ガラスの断熱性能もチェック
断熱性能を考える際は、玄関ドア本体だけでなく、採光部に使われるガラスの性能にも注意が必要です。
ガラス部分は熱が伝わりやすいため、断熱性が低いと、ドアの性能が十分に発揮されない可能性があります。
たとえば、複層ガラスやLow-Eガラスが使われている玄関ドアは、断熱性が高く、室内の温度変化を抑える効果がありますが、単板ガラスでは外気の影響を受けやすくなります。
玄関ドアを選ぶときは、ガラス部分の仕様もしっかり確認しておくと安心です。
こちらの記事では、断熱性能を高めるガラスの種類も紹介しています。
関連記事:ガラス付き玄関ドアのメリット・デメリット|防犯対策や目隠しの方法を解説
玄関ドアのタイプ別に選ぶ
玄関ドアの断熱性は、開き方や構造の違いによっても差が出るため、タイプ選びも大きなポイントです。
構造によって隙間の生じやすさや密閉性が変わるため、断熱性能に直接影響します。
たとえば、片開きドアは気密性を確保しやすく断熱性にも優れていますが、親子ドアや両開きドアは、密閉性が下がりやすいです。
また、引き戸タイプはバリアフリー性に優れていますが、構造上すき間ができやすく、断熱性を重視する場合、パッキンの有無や枠構造などの仕様を確認しておくと安心です。
生活スタイルだけでなく、断熱性とのバランスを踏まえて選ぶのが、快適な住まいづくりに直結します。
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