窓パッキンにカビが生える原因とは|日頃からできる対策と放置するリスクも徹底解説

窓パッキンにカビが生える原因とは|日頃からできる対策と放置するリスクも徹底解説

窓のゴムパッキンに発生するカビは、湿気や結露が原因となり、放置すると奥まで根を張って落としにくくなります。

カビがこびりつくと見た目の悪さだけでなく、衛生面や建材への影響もあるため、正しい対策を知っておくことが大切です。

本記事では、名古屋・岐阜を中心に窓や玄関ドアのリフォームを手がける「玄関マスター」が、カビの発生源となる窓まわりを清潔に保ち、快適な室内環境を維持する方法を詳しく解説します。

窓パッキンにカビが生える主な原因

窓パッキンにカビが生える主な原因

窓パッキンはゴム製で湿気を吸収しやすく、カビが生えやすい場所です。

とくに通気が悪く、ホコリや水分がたまりやすい環境では、カビの発生リスクが高まります。

ここでは、日常生活のなかで起こりやすいカビの原因を3つ紹介します。

通気性が悪く湿気が多い

窓パッキンのカビは、通気性の悪さからくる湿気の多さが原因です。

カビは微生物の一種で、温度が20℃~30℃、湿度が70%以上の高温多湿な環境を好んで繁殖します。

また、冬場は暖房や加湿器の使用、洗濯物の室内干しなどの影響で通気性が悪くなるケースも多いため、窓周辺の湿気対策が必要です。

ホコリや油などで汚れている

窓パッキンに付着したホコリや調理中に飛んだ油分などの汚れは、カビの栄養源になります。

キッチンやリビングなど人の出入りが多い場所では、空気の動きでホコリが舞い、調理時の油分も付着しやすいため、窓まわりはとくに注意が必要です。

また、道路に面した窓なら排気ガスや砂ぼこりが付着するケースも少なくありません。

凹凸に雨水や結露による水分が残っている

窓パッキンに使われるゴム素材は水を吸い込まないため、ガラスを伝ってきた結露水がその場にとどまりやすい特徴があります。

さらに、パッキン表面のわずかな凹凸やガラスとの接地部分に水が入り込みやすく、乾きにくい状態が続くことがカビの原因です。

水分が残ったまま放置すると、目に見えないカビの胞子(タネ)がパッキンの凹凸に付着して、やがて黒カビとして繁殖していきます。

 

結露の影響や解決策について、こちらの記事でも詳しく解説しています。

関連記事:結露が家庭にもたらす影響と解決法|仕組みと対策を把握して家族の健康と家を守る

 

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窓パッキンのカビを放置する3大リスク

窓パッキンのカビを放置する3大リスク

窓パッキンのカビは、見た目が悪いだけでなく、重大なリスクをともなう可能性があるため早めの対処が必要です。

いつまでも放置するとゴムの硬化や健康被害、リフォームが必要になるケースなど、深刻な状況を招きかねません。

トラブル回避のためにも、以下で詳しく解説します。

カビが根をはりゴムの硬化・縮み・ひび割れが発生する

窓パッキンに生えたカビは表面に広がるだけでなく、ゴムの内部に根をはり素材にダメージを与えます。

ダメージを長期間放置して引き起こされる現象が、パッキンが石のように硬くなる「硬化」です。

さらに放置すると、ゴムが縮んで隙間が生まれ、表面がひび割れを起こし、窓パッキンそのものの機能が失われます。

窓パッキンが劣化すると、すきま風や雨漏りの原因になるだけでなく、防音性や気密性も保てなくなり、住まいの快適性に支障が出ることがあります。

黒カビの胞子が部屋中に飛散し健康被害が生じる

窓パッキンの黒カビは、深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。

成長した黒カビは、目に見えない小さな胞子を大量に放出し、気づかないうちに体内に取り込んでしまいます。

カビの胞子は気管支喘息やアレルギー性鼻炎、皮膚炎などを引き起こすアレルゲン(原因物質)です。

とくに免疫力が低い小さなお子さまや高齢の方がいるご家庭では、日常生活への影響が大きくなるため注意が必要です。

カビが家全体に広がりリフォームが必要になる

窓パッキンから発生したカビを放置すると、空気中に飛んだ胞子が壁や床に付着し、家のあらゆる所に広がるおそれがあります。

素材の内部に根を張って奥まで侵食が進むと、壁の内部や床材のほか、深刻な場合は建物の柱や梁など構造部分まで影響がおよびます。

被害が拡大するほど表面的な清掃だけでは間に合わず、壁紙や床材の張り替えや構造部分の交換など大がかりな修繕が必要になり、数十万円~百万円単位の費用が発生するケースも少なくありません。

小さなカビでも放置すれば大きな負担につながるため、早めの対応が大切です。

 

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窓パッキンのカビ取り方法

窓パッキンのカビ取り方法

窓パッキンのカビ取りは、進行具合で対処方法が異なります。

ここでは軽度なカビから頑固な汚れまで、状況に合わせたカビ取り方法を紹介します。

軽度なカビの場合|食器用洗剤

窓パッキンにうっすら黒ずみが見え、ゴム自体の変色や素材の劣化がなければ、軽度のカビと考えられます。

軽度な段階であれば、市販の食器用中性洗剤が油やホコリなどの汚れ落としに効果的です。

掃除の際は、乾いた布でホコリを取ったあとに、柔らかい布やスポンジに薄めた洗剤液を含ませ、ゴム部分をやさしくこすります。

汚れが落ちたあとは水拭きで洗剤をしっかり取り除き、最後に乾いた布で水分を拭き取っておくと安心です。

時間が経過した頑固なカビ|塩素系漂白剤やカビ取り剤

こすっても落ちない黒ずみや、ゴムが変色している場合は、カビが奥まで根を張っている可能性があります。

頑固なカビには、塩素系漂白剤や専用のカビ取り剤を使った「カビ取り剤パック法」がおすすめです。

薬剤を染み込ませたティッシュや綿棒をカビ部分に密着させ、数分〜10分ほど置いてから拭き取ると、根までしっかり作用します。

なお、塩素系漂白剤やカビ取り剤は、素手で触れたり成分を吸い込んだりすると、皮膚の炎症やのどの痛みなどを引き起こすおそれがあります。

使用時は必ず手袋を着用し、換気を忘れず作業してください。

安全性を重視したい方は|重曹とクエン酸

塩素系漂白剤やカビ取り剤の強い成分やにおいに抵抗がある場合や、小さなお子さまやペットがいるご家庭なら、重曹とクエン酸を使った掃除がおすすめです。

重曹やクエン酸は、ドラッグストアやホームセンター、100円ショップの掃除用品コーナーで手に入ります。

掃除の手順は以下のとおりです。

  1. 重曹に少量の水を加えてペースト状にする
  2. パッキンのカビ部分に塗り、数分置いたあとやさしくこする
  3. 仕上げにクエン酸を水で薄めたスプレーを吹きかけ、拭き取る

重曹を拭き取った後にクエン酸水をスプレーすることで、カビの再発防止につながります。

塩素系ほどの即効性や強力性はありませんが、軽度なカビや日常の予防掃除として取り入れやすい方法です。

 

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窓のパッキン掃除で気をつけたいポイント

窓のパッキン掃除で気をつけたいポイント

窓パッキンのカビ取りに、食器用洗剤や重曹、クエン酸を使用する場合は刺激も少なく、普段のお掃除の延長で対応できます。

ところが、塩素系漂白剤やカビ取り剤を使う場合は注意が必要です。

塩素系漂白剤やカビ取り剤は手順を守るだけでなく、直接触れない、換気やほかの洗剤と混ぜないなど、安全面への配慮も欠かせません。

ここでは、カビ取り作業の際に気をつけたい5つのポイントを詳しく解説します。

マスク・手袋など保護アイテムで手肌や粘膜を守る

カビ取り剤は、強い成分を含むものも多く、使用時には十分な注意が必要です。

塩素系の薬剤は、吸い込んだり肌に触れたりすると体調不良やかぶれを引き起こす恐れがあります。

安全に作業を進めるための保護アイテムを、以下にまとめました。

アイテム名 役割 注意事項
マスク 吸い込んで気分が悪くなるのを防ぐ 布マスクはニオイや成分を通しやすいため、不織布マスクを使う
メガネやゴーグル 洗剤の飛び散りから目を守る スキーゴーグルのような密閉タイプが理想
厚手のゴム手袋 洗剤による手荒れを防ぐ ビニール手袋や軍手は薬剤に弱く不向き
長袖の服・エプロン 腕や身体の保護および、薬剤の付着を防ぐ 色落ちの可能性が高いため、汚れてもいい服を選ぶ
お風呂掃除用のゴム製ブーツや長靴 浴室などでの転倒防止+素足を守る 通気穴のあるサンダルや素足はNG、足全体を覆える履き物を選ぶ

 

掃除で飛び散るカビの胞子は目に見えず、吸い込んでしまうとアレルギーや喘息を引き起こす可能性があります。

また、掃除に夢中になると洗剤が付着しても気付かないケースもあるので、面倒に感じるかもしれませんが、自分自身はもちろん、ご家族を守るためにも、事前準備は大切です。

カビ取り剤が充満しないよう換気に気を付ける

カビ取り剤を使った掃除をする際は、十分な換気が欠かせません。

とくに塩素系のカビ取り剤は、特有のツンとしたニオイがあり、気化した成分を吸い込むと気分が悪くなったり、目や喉を痛める危険性があります。

さらに締め切った場所で使用すると、洗剤の成分が室内にこもってしまい、頭痛や吐き気、咳き込み、ひどい場合は呼吸困難に陥るおそれもあります。

頭痛や呼吸困難などの健康被害を防ぐには、使用前から窓やドアを開けて風通しを確保し、換気扇や扇風機、サーキュレーターなどで空気を外へ逃がすことが重要です。

掃除が終わったあとも成分が空気中に残っている可能性があるため、20分~30分ほど換気を続けるようにしてください。

時間が経過してもにおいが気になる場合は、さらに換気を続けると安心です。

塩素系漂白剤とほかの洗剤を混ぜない

カビ取り剤を使う際に絶対に避けたいのが、塩素系漂白剤と酸性洗剤の併用です。

ふたつの成分が反応すると、有毒な塩素ガスが発生し、吸い込んだだけで呼吸困難や意識障害を引き起こす危険性があります。

塩素系か酸性か分からない場合は、容器にある「成分表示」や「混ぜるな危険」などの注意書きを確認すると見分けることが可能です。

さらに塩素系のカビ取り剤を使用した直後に、酸性洗剤を追加するのも危険なので、必ず単独で使用してください。

木枠の場合はカビ取り剤の使用を避ける

窓枠が木製の場合は、塩素系のカビ取り剤の使用は避けてください。

木材は水分や薬剤を吸収しやすく、変色や表面の劣化、塗装の剥がれを引き起こす恐れがあります。

さらに無垢材や塗装されていない木枠では、一度ダメージを受けると元に戻すのが難しくなるため、取り扱いには十分な配慮が必要です。

木製部分のカビは、中性洗剤や消毒用エタノールを使ってやさしく拭き取る方法が適しています。

洗剤を長時間放置するとパッキンが傷んでしまう

洗剤を長時間パッキンに付着させたままにすると、ゴムの変色やふやけ、弾力の低下を引き起こす可能性があります。

薬剤を染み込ませたティッシュなどで覆う「カビ取り剤パック法」は手軽でおすすめですが、放置しすぎるとパッキンの劣化を招きかねません。

カビ取り剤は安全に使用するため、製品のパッケージに必ず推奨時間が記載されています。

記載された時間を厳守し、仕上げに水拭きや水洗いで薬剤をしっかり取り除いておくと安心です。

 

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カビを生やさないために|日頃からできる4つの対策

カビを生やさないために|日頃からできる4つの対策

カビの発生を防ぐには、掃除だけでなく日頃の清潔な環境づくりも欠かせません。

湿気がたまりやすい窓まわりでは、結露を防ぐちょっとした工夫が効果を発揮します。

ここでは、窓パッキンにカビを生やさないために取り入れたい、4つの簡単な予防対策を紹介します。

湿度を抑えて結露を防ぐ

カビは湿気の多い環境を好むため、室内の湿度管理がもっとも基本的な予防策です。

とくに冬場は外気との温度差で結露が発生しやすく、窓まわりのゴムパッキンが常に湿った状態になります。

湿った状態を放置すると、黒カビが根を張る原因となるため、こまめなふき取りが大切です。

さらに、除湿機やエアコンの除湿運転を使い、湿度を50%前後に保つことで、結露やカビの発生を抑えやすくなります。

結露防止シートを貼る

結露防止シートを窓ガラスや窓枠に貼ることで、冷たい外気との温度差を和らげ、結露の発生を抑えられます。

中でも、アルミ製サッシなど熱が伝わりやすい素材は、結露が起こりやすいため、保温効果のあるシートの活用が効果的です。

結露防止シートは「水を吹きかけて貼るタイプ」や「両面テープで固定するタイプ」などがあり、何度も貼り直せるものや、しっかり固定できるものなど、設置場所や使い方に応じて選べます。

100円ショップやホームセンターでも入手できるため、取り入れやすい結露対策としておすすめです。

消毒用エタノールを週に一回吹きかける

消毒用エタノールをスプレーで吹きかけることで、菌の働きを抑え、カビが発生しにくい環境を維持できます。

黒カビの胞子は空気中に常に漂っており、湿気や汚れがある場所に付着すると増殖してしまうため、週に一回程度のスプレーがおすすめです。

消毒用エタノールは、黒カビの原因となる菌を不活性化させる働きがあり、カビの再発防止に役立ちます。

さらにカビが寄りつきにくい状態を保つため、スプレーしたあとは、乾いた布で軽く拭き取るのがポイントです。

なお、消毒用エタノールは引火しやすい性質があるため、コンロや暖房器具など火気の近くでは使用しないでください。

中性洗剤で窓まわりを清潔に保つ

日頃から窓まわりを中性洗剤で拭いておくと、カビの栄養源となる油汚れやホコリを除去できます。

さらにゴムパッキンや窓枠は凹凸が多く、汚れがたまりやすいため、定期的な掃除で清潔さを保つことがカビ予防に効果的です。

中性洗剤はバケツの水に対して1〜2滴を目安に薄めて使うと、泡立ちを抑え拭きやすくなります。

窓ガラスやサッシ、パッキンのまわりを洗剤をしみ込ませた布や雑巾でやさしく拭き取ったあと、水拭きと乾拭きで仕上げるのが、清潔な状態をキープするポイントです。

 

窓の結露対策について、実用的な解決方法をこちらでも解説しています。

関連記事:窓の結露対策を徹底解説┃快適な居住空間を保つための実用的なガイド

 

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掃除してもどうしてもとれない場合の対応方法

掃除してもどうしてもとれない場合の対応方法

カビ取りを試してもどうしても落とせない場合は、無理にこすり続けるのではなく、別の方法を検討することが大切です。

無理な掃除を繰り返すと、パッキンの劣化や窓枠の傷みなど、建具まわりにダメージを与える恐れもあります。

ここでは、専門業者への依頼や設備の見直しなど、根本的な解決につながる3つの対処法を紹介します。

専門業者に掃除を依頼する

家庭用の洗剤や道具では落としきれないカビ汚れは、専門業者に相談するのが安心です。

「カビ取りサービス」や「窓サッシ清掃」などのメニューを用意しているハウスクリーニング業者を選ぶと、素材に合った方法で安全に仕上げてもらえます。

とくに賃貸住宅では退去時の費用に影響する可能性や、売却予定の家では印象や査定額にも関わります。

自分で対処できない場合は、早めの相談がおすすめです。

部屋の換気システムを見直す

掃除しても同じ場所にカビが再発する場合は、換気能力そのものに問題があるのかもしれません。

その中でも、換気扇や24時間換気システムが止まっていたり、フィルターが汚れていると、湿気がたまりやすくなります。

また、寒さなどを理由に停止している24時間換気システムは、できるだけ稼働させておくと安心です。

それでも改善されない場合は、専門業者に点検を依頼し、必要に応じて換気設備の交換や設置の見直しが重要と言えます。

断熱性が高いタイプの窓にリフォームする

窓パッキンの結露や黒カビに対して根本的な解決策のひとつとして有効なのが、断熱性の高い窓へのリフォームです。

熱を伝えやすいアルミ製サッシを設置している場合、冬場は室内外の温度差で結露が起きやすく、ゴムパッキンや窓枠にカビが発生する原因となります。

結露やカビの発生を抑制するには、樹脂サッシや断熱ガラスなど熱の伝わりにくい素材へ交換し、断熱性を高めると再発リスクも軽減できます。

くり返される結露とカビは、窓そのものの断熱性能が不足している可能性が高いため、専門業者に相談してみると安心です。

 

窓のリフォームを検討するなら、工事で使える補助金について、こちらで詳しく紹介しています。

関連記事:【最大200万円】先進的窓リノベ事業2025の補助金額や申請条件の流れを解説

 

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防犯性能だけでなく、デザイン性や機能性なども考慮した総合的なアドバイスをさせていただきます。

 

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著者情報
株式会社ブルーマテリアル専務取締役 日比野晴彦
日比野晴彦
株式会社ブルーマテリアル 専務取締役
 
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